カラー電子ペーパーのフロントライト（バックライト）に関する誤解

昨年の中頃から、印刷式カラー電子ペーパーの製品が続々と発売され始め、種類は非常に多様です。 リーダー端末だけでなく、スマートフォンまで登場しました。 そして、印刷式カラー電子ペーパーの進化も非常に速く、最初に発売された Kaleido 1 から、 今年の初めには 第2世代Kaleido、さらに 2.5世代Kaleido（公式名称：Kaleido Plus） の製品が登場しました。 世代が進むごとに、色域の表現範囲はさらに広がり、色彩がより鮮明になるだけでなく、コントラストや画質も向上しています。

しかし、カラーフィルターによって色を表示する Kaleido 技術 には一つ問題があります。 それは、カラーフィルター自体が反射光の一部を吸収してしまうため、 モノクロ電子ペーパーと比べると画面がやや暗くなり、白色が純白には見えなくなることです。 その結果、黒と白のコントラストも少し低下してしまいます。 そして、画面がモノクロ電子ペーパーよりも少し暗いことから… モノクロ電子ペーパーに慣れているユーザーは、前面ライト（バックライト）を点けたくなる傾向があります。 [注1]白い背景をモノクロ電子ペーパーの白に近づけるだけでなく、ネット上では多くのブロガーやレビューでも「ライトを明るめに設定すると（中には最大にすることを推奨する意見もあります）」と紹介されており、表示される色がより鮮明で鮮やかになると指摘されています。

しかし、ここで新たな問題が出てきます。 もしカラー電子ペーパーを使用するたびに必ず前面ライトを点けなければならないとしたら、 それは発光型ディスプレイであるスマートフォンとほとんど変わらないのではないでしょうか？ 一般的な読者が電子ペーパーのリーダー端末を選ぶ大きな理由の一つは、 > 自発光しない画面であるため、長時間の読書でも目が疲れにくく、乾燥や痛みを感じにくい という点です。 これにより、コンピュータービジョン症候群（Computer Vision Syndrome） の症状を軽減できるというメリットがあります。 ところが、前面ライトを点けた状態で長時間読書をすると、 > モノクロ電子ペーパーをライトなしで使った時ほど快適には感じられず、 > むしろ発光型ディスプレイを見ている時と似た症状を感じることがある という声も少なくありません。 では、カラー電子ペーパーは本当に目に優しいのか？ そして購入する価値はあるのか？ 本記事では、この疑問について詳しく解説していきます。

カラー電子ペーパー前面ライトに関する三大誤解

「カラー電子ペーパーのカラーフィルターは光の一部を吸収するため、画面の明るさはモノクロ電子ペーパーよりやや暗い。」この説明自体は事実ですが、これが一般の人が前面ライトを点けたくなる理由ではありません。 一般的に、ユーザーが前面ライトを点けたくなる理由は、以下のいずれかです：

1. 普段から紙の本やモノクロ電子ペーパーのはっきりした黒白コントラストに慣れている場合、カラー電子ペーパーの白地がややグレーっぽく見えるため違和感を覚えます。そのため、前面ライトを点けることで白地がより白に近づき、 特に明るくすればするほど白さが際立ち、文字のコントラストも改善されて見やすくなるのです。
2. インターネット上では、前面ライトを点けることで色がより鮮やかに、はっきり見えると言われています。 特に、ライトを明るくすればするほど色彩が鮮明になるという意見が多く見られます。
3. 画面が暗すぎると、長時間読書した際に目を傷めてしまうのではないかと心配になり、そのために少し明るめに設定して使用したいと考えるのです。

以上の三つの理由は、正しい理解がないことから生まれた誤解に過ぎません。 ここからは、この三つの誤解についてそれぞれ詳しく説明していきます。

誤解1：明るくすればするほどコントラストが良くなる

第一点の黒白コントラストについてですが、確かに映像のコントラストが高いほど輪郭がはっきりし、認識しやすくなるのは事実です。 そのため、白地に黒文字や黒地に白文字はコントラストが最も高く、確かに最も認識しやすく、読みやすいと言えます。 しかし、これはコントラストが少し下がっただけで文字が認識できなくなるという意味ではありません。 つまり、グレー地に黒文字であっても、文字の判読に支障がなければ、基本的に読書に影響はありません。 白地を必ず白くする必要はなく、再生紙で作られた本を読んでいるような感覚で、真っ白でない白でも問題はないのです。 もちろん、もしどうしてもグレー地が気になって落ち着かない（これは完全に気持ちの問題、いわゆる kimochi の問題です）という場合は、 > 前面ライトを点けるという選択肢もあります。 ただし、前面ライトの使い方にもコツがあり、必ずしも明るくすればするほどコントラストが良くなるわけではありません。 なぜでしょうか？ 「ライトを強くすれば白地がより白くなり、理論的にはコントラストが上がるはずでは？」と思いますよね。 では、その理由を説明する前に、以下の実験写真をご覧ください。

左側の写真は前面ライトを最大にした状態、右側の写真は前面ライトをまったく点けていない状態です。撮影時の環境光は、午後2時半ごろ、窓際に座った自然光です。

拡大写真です。 左側の写真は前面ライトを最大にした状態、 右側の写真は前面ライトをまったく点けていない状態です。 撮影時の環境光は、午後2時半ごろ、窓際に座った自然光です。

カラーピッカーを使って2枚の写真の黒文字を比較してみると、 前面ライトを最大にした左側の写真では、確かに白地はより白く見えますが、 > 黒文字の黒さは、右側の前面ライトを点けていない状態の方が深く見える > （もちろん、どちらも完全な黒ではありません）。

以上の写真を見て、皆さんは前面ライトを最大にした状態のコントラストと、完全にライトを消した状態のコントラスト、どちらの方が良いと感じましたか？ 「なぜこのような結果になるのか？」と疑問に思いませんか？ 今回の実験から分かることは、光を強くすればするほど白地は確かにより白くなるということです。 しかし同時に、黒文字も一緒に明るくなってしまうのです。 ここで新たな疑問が生まれます。 > 「理論上ではコントラストは変わらないはずなのに、 > なぜ前面ライトを点けない方がコントラストが高く見えるのか？」 その理由は人間の感覚に関係しています。 人間が光の信号（signal）を受け取るときの強度に対する反応（response）は、完全に線形ではありません。 特に、明るい部分（ハイライト）に対する反応は、暗い部分（シャドウ）に対する反応よりも鈍いのです。 簡単に言えば、人間は暗めの色の違いを見分ける方が得意ということです。 そのため、感覚的には前面ライトを点けない状態の方がコントラストが高く見えるのです。

人間の目による光の明るさの知覚は線形ではありません。 画像出典：カラーマネジメントにおけるガンマ値の理解

誤解2：明るくすればするほど色が鮮やかになる

では、次に二つ目のポイントを見ていきましょう。 なぜこの二つ目が誤解なのでしょうか？ 実は、一つ目の原理を理解すれば、この二つ目も自然と理解できるようになります。 なぜ光を強くしても色が鮮やかにならないのでしょうか？ まず知っておくべきなのは、Kaleidoのカラー表示は、基本的にはモノクロ表示にカラーフィルターを重ねて調整しているということです。 そのため、原理的にはRGB値の差は光を強くしてもほとんど変化しません。 光を強くした場合は、数値全体が一緒に上にシフトするだけなのです。 そのため、彩度が上がるわけではありません。 （例えば赤色がさらに赤くなるというわけではありません。） 淡い色は、光を強くしても淡いままです。 唯一の違いは、まるで水彩絵の具に水を加えて薄め、より明るい色になっただけのようなものです。 下の図の実験例を参考にしてください。

左側は前面ライトを点けていない状態、 右側は前面ライトを最大にした状態です。 撮影時の環境光は、デスクライトの下です。

前面ライトを点けた状態では、RGB値が全体的に上にシフトしていることが確認できます。 RGB間の差がわずかに広がるものの、ハイライト側に近づくほど人間の知覚上の差異は目立たなくなります。 その結果、彩度はほとんど向上せず、むしろ周囲の色とのコントラストが低下してしまいます。

iPhone 12上で実際のRGB値の差がどれほどかを確認できます。 したがって、色の彩度を高めるためには、RGB値の差をしっかり広げる必要があります。

BOOX Nova 3 Color を使ってテストを行いました。 左側は前面ライトをまったく点けていない状態、 右側は前面ライトを最大にした状態です。 どちらの方が画像のコントラストが良いか、実際に見比べてみてください。

同様に、前面ライトを最大にした場合のRGB値の変化を比較してみましょう。 これを見ると、前面ライトを最大にしても彩度が大きく向上するわけではないことが分かります。 むしろ、全体的に青みがかった傾向が見られます。 （以上の写真はすべて同じ距離から撮影しており、カメラの露出はロックされています。）

実は、Kaleido Plusが発表された際の公式プロモーション資料を見ても、 色彩の飽和度は前面ライトを消した状態の方が数値が高いことが分かります。

コントラストについても同様に、前面ライトを消した状態の方が数値が高いことが分かります。

誤解3：光が暗すぎると目を傷める

第三のポイントである「暗すぎる明るさが目を傷める」という考え方ですが、これはまったく科学的根拠がありません。 このような説が生まれたのは、実際には人間の感覚によるものです。 多くの人は、薄暗い環境で物体の細部を識別するのがとても大変だと感じ、 > 「目にそんなに負担をかけ続ければ、そのうち目が悪くなる」 と考えてしまいます。 しかし、実際には薄暗い環境で物体を識別することが大変だと感じる理由の多くは、目ではなく脳にあります。 私たちの脳は、物体を輪郭で識別する能力が非常に高いのですが、 輪郭が不明瞭になると、情報を処理する時間が増えてしまいます。 本来なら無意識のうちにスムーズに認識できるはずのものが、 > 一生懸命に文字や画像を判別し、意識的に理解する作業へと変わってしまう のです。 さらに、識別が難しくなると、読書中は目に入ってくる文字だけに精神を集中させる必要があり、 一度に周囲の文脈や全体像を把握することができなくなります。 その結果、一文を理解するだけでも、普段よりも多くの精神力（脳の力）を消耗してしまいます。 長時間読書を続けると非常に疲労を感じるのはこのためで、 > 場合によっては、通常よりも多くの血糖を消費することもあります。

コントラストがはっきりしていると、脳は素早く前後の文脈から文字や文章の意味を推測することができます。

コントラストが不明瞭な場合、脳は注意の焦点をすべて文字を識別することに使ってしまい、 前後の文脈から意味を直接読み取る余裕がなくなります。

目の部分についてですが、確かに映像のコントラストや輪郭が不明瞭な場合、目はピントを合わせるために前後に動かし、より精密な微調整を行う必要があります。 一眼レフカメラのズームレンズでオートフォーカスを使用したことがある方なら、 > 暗い環境下でレンズが前後に動き続け、なかなかピントが合わない という現象を見たことがあるかもしれません。 実は、目もこれと同じような働きをしています。 ただし、これは暗闇で異なる距離にある物体にピントを合わせる場合に起こる現象です。 もし対象が同じ平面上にある場合、たとえば本や画面などでは、 一度ピントが合えば、何度も前後にピントを合わせ直す必要はありません。 そのため、目に大きな負担はかかりません。 考えてみてください。 原始時代の人類には夜間照明などありませんでしたが、 生き延びるために、真っ暗な夜でも危険を察知するために物体を見分ける必要があったはずです。 もし暗闇で物を見分けるだけで目が壊れるのであれば、 > 人類の目はとっくに壊滅していたはずです。

ビル・ゲイツの著書『How to Avoid a Climate Disaster（気候災害を避ける方法）』の中に掲載されている写真があります。 彼は、アフリカのナイジェリアを訪れた際、しばしばこうした子どもたちに出会ったと語っています。 彼らは、わずかなろうそくの光だけを頼りに宿題をしているのです。 実際、電灯が発明される以前は、人類も同じように微弱な明かりの下で読書や勉強をしていたわけです。 もし暗い光の中で読書するだけで目が壊れるのであれば、 > とっくに人類の目は壊滅していたはずです。 ?

実際に目に大きな負担をかけている本当の原因は、近距離で長時間目を酷使することです。 例えば、文字が小さすぎてはっきり読むために目との距離を近づける、 あるいは暗すぎてよく見えないために距離を近づけるといった行為です。 これにより、毛様体筋が持続的に収縮したまま休むことができず、 その結果、眼軸が徐々に伸びてしまい、近視の度数が進行します。 そして、強度近視になると網膜剥離など他の眼疾患のリスクが高まるのです。 したがって、暗すぎること自体が目を傷めるわけではなく、 長時間にわたって近距離で読書することこそが目を傷める原因なのです。

ここまで読んで、これまでの自分の考え方とかなり違うと感じた方もいるのではないでしょうか？ もし、以上のポイントが誤解だとしたら、 > 果たして前面ライトは点けるべきなのか？ そして、もし点けるとしたら、 > 適切な前面ライトの明るさはどれくらいなのか？

前面ライトの正しい使い方

カラー電子ペーパーの白地が少しグレーっぽく見えるのは、カラーフィルターが光の一部を吸収してしまうためです。 その結果、明るさが低下するだけでなく、その白は白色インク粒子が反射して見せている白ではなく、RGBが同時に混ざり合って形成される白なのです。 私たちが使うサングラスも、実はメガネの上にカラーフィルターを一枚載せているような仕組みで、 > 太陽光が目に入る強さを減らし、目を保護する という役割を果たしています。 したがって、カラー電子ペーパーは光源が十分にある環境では、モノクロ電子ペーパーの白地よりも反射光の明るさが低いため、 かえってブルーライト（エネルギー）によるダメージを軽減することができるのです。

光源が十分にある環境では、前面ライトを点けた場合と消した場合の体感の差は実際にはごくわずかです。 （先ほど触れた、人間の目の感覚が線形ではないという話を覚えていますか？） \[注2] ，したがって、私は光源が十分なとき 前面ライトはまったく点けません。 その方がモノクロ文字やカラー画像のコントラストが良くなり、 さらに目に優しく、省電力にもなります。

光源が十分なときは、前面ライトを最大にしても消しても、その体感差はほとんどありません。

光源がやや暗いときは、前面ライトを最大にした場合と消した場合の体感差が非常に大きくなります。

もし本当に前面ライトを点けるのであれば、いったい何段階くらいに設定すれば良いのでしょうか？ これは機種ごとに仕様が異なるため（詳しくはこの記事をご覧ください: 『電子ペーパー前面ライト照度比較』 )したがって、実際にテストする必要があります。テスト方法は次のとおりです。 デスクライトの下で、モノクロ電子ペーパーリーダーとカラーリーダーを並べて置きます（えっ？手元にモノクロの電子ペーパーリーダーがない？それなら調整は不要です。以下をそのまま読んでください。いわゆる「比較しなければ傷つかない」というやつです）。 並べたら、両方の端末に白地の背景画像を表示し、カラー機の前面ライトを最も暗い設定から一段ずつゆっくり上げていきます。2つの画面の白の「明るさ」が一致しているかをよく観察します（白の色調の一致ではありません。色調は同じにはできません）。明るさが一致したと感じたら、その時点の目盛り位置を記録します。 この位置が、どんな光源環境でも前面ライトを上げてよい最大の上限となります。 この上の目盛りは、まったく使う必要のない領域です。 この余分な部分は、モノクロ電子ペーパーの前面ライトだと考えてみてください。 もし、あなたがモノクロ電子ペーパーを使うときに前面ライトを一度も使ったことがない（または、機種自体に前面ライトが搭載されていない）のであれば、 わざわざ余分な照明を使用する必要はまったくありません。

前面ライトを点けない場合、カラー電子ペーパーの白はやや暗めに見えます （Kaleido Plus ではかなり改善されています）。

前面ライトの明るさを一段ずつゆっくり上げていき、 白色の明るさがほぼ同じに見える状態になったら、そこから少しだけ明るすぎると感じる程度まで確認します。 そして、さらに一段下げればちょうど良い状態になります。

Boox Nova 3 Color 調整が完了したら、前面ライトの最大上限はおおよそ60％あたりになります。

スマートフォンの画面は、環境光が強くなるほどバックライトの明るさを強くする必要があります。 しかし、電子ペーパーはその逆です。 そのため、スマートフォンには最小輝度の制限があり（明るさを最低にしても光は完全には消えません）、 電子ペーパーには最大輝度の制限があります（つまり、先ほど測定した上限値です）。 この点については、以下で詳しく説明します。

前面ライトを点けるタイミング

自分が使っているカラー機種の前面ライトの最大上限が分かったら、 次に気になるのは、「いつ前面ライトを点けるべきか」ということです。 基本的に、前面ライトを点けるタイミングにはたった一つの原則しかありません： 當螢幕距離眼睛必須要小於30公分才有辦法看清楚字或圖片的輪廓時，就必須要開前光このときはコントラストがすでにかなり低下しており、 > 目と脳により大きな負担がかかり始めている状態 を意味します。 この原則を守れば、私は90％以上の時間は前面ライトを点ける必要がありません。 長時間使用しても、モノクロ電子ペーパーと同じくらい快適な視覚体験を得られます。 もちろん、90％以上の時間を前面ライトなしで過ごすためには、 > 人間の目がどのように映像の露出を調整しているか、そして明視覚と暗視覚の仕組み についての知識が必要になります。

人間の目による映像露出の調節方法

写真をやったことがある人なら誰でも知っていると思いますが、カメラは絞りとシャッターを使って取り込む光の量を調整し、画像が露出オーバーや暗すぎることでディテールを失わないようにしています。 人間の目にも、カメラの絞りに似た構造があり、それが瞳孔です。 環境光が十分なとき、瞳孔は小さく縮み、 逆に環境光が不足しているときは、瞳孔が大きく開きます。 しかし、瞳孔はどのようにして環境光が十分か不足しているかを判断しているのでしょうか？ それには測光が必要です。 カメラには平均測光やスポット測光といった測光モードがあります。 一般的なスマートフォンのカメラでは、撮影対象を指でタップしていない場合、平均測光が使われます。 人間の目も、基本的には平均測光が主です。 平均測光とは、画面全体の光の量を評価して瞳孔の大きさを決定し、 画像の大部分が感光範囲に収まるようにしてディテールを保つという仕組みです。

したがって、ここからが重要です。 電子ペーパーが光源が均一な環境にあるとき ，前面ライトを点ける必要はまったくありません。 たとえ環境光が少し暗くても同じで、瞳孔が自動的に調整され、映像のディテールを保つことができるからです。 しかし、周囲に光源があっても、電子ペーパーの画面が影になっていたり、光源が画面に当たっていなかったり、完全に逆光になっている場合には状況が変わります。 このとき、瞳孔は周囲の明るい光源に反応して縮小するため、電子ペーパーの画面がより暗く見えてしまいます。 この場合は前面ライトを点ける必要があります。 ただし、ほとんどの場合は位置を少し移動するだけで、この状況を回避できることが多いです。 したがって、位置を移動できないとき（例：会議中）にのみ、前面ライトを点ければよいのです。

ここで特筆すべきなのは、 逆光の環境下では、前面ライトを上限まで点ける必要があります。 ［注三］完全な暗闇の環境では、前面ライトは1～2段階だけ点ければ十分です。 ，このとき瞳孔は最大に開いているため、わずかな前面ライトでもはっきりと違いを感じられます。 そのため、前面ライトを強くすればするほど目に負担がかかり、できる限り完全な暗闇での使用は避けた方がよいでしょう。 （注意！環境が暗いほどライトを強くする、というわけではありません！ ✍️ ）。

バックライト環境下では、外が曇り空であっても画面は暗すぎます。

画面を180度回転させて外の光に向けると、文字の判読性が大幅に向上します。 このとき、影による明るさの違いにも注目してみてください。

逆光環境で位置を調整できない場合は、先ほど設定した最大前面ライト上限を点けましょう。 この明るさであれば、30センチの距離からでも文字を楽に判読できることが確認できます。

明視覚と暗視覚

人間の目の網膜にある感光細胞は、大きく分けて二種類あります。 一つは光の明るさ（輝度）を感知することに特化した「杆体細胞（かんたいさいぼう）」、 もう一つは色を感知することに特化した「錐体細胞（すいたいさいぼう）」です。 明るい環境では、主に網膜の黄斑部（おうはんぶ）に集中している錐体細胞が、 光の明るさと色を感知します。 錐体細胞は、物体の細部を認識する能力も高いという特徴があります。 しかし、光が暗くなり、ある一定のレベル（一般的には10ニット以下）になると、 錐体細胞は光の信号に反応できなくなります。 その場合、網膜の周辺部にある杆体細胞が、 光の明暗を感知する役割を引き継ぎます。 このとき、物体は色を失い、グレースケールの映像としてしか見えなくなります。 さらに、杆体細胞は細部を識別する能力が弱いため、映像はぼやけて見えるようになります。

したがって、カラー電子ペーパーを使用する際、光が暗くなり一定のレベルを下回ると、 > カラー画像はまず細部や輪郭を失います > （特に明るさが近いが色調の異なる隣接した色が区別しづらくなります）。 画像の内容が不鮮明になってきたと感じた時点で、初めて前面ライトを点ける必要があります。 一方で、純粋なテキストの電子書籍を読む場合は、 > 白地に黒文字や黒地に白文字といった非常に強いコントラストなので、 > 光がさらに暗くなってからでも前面ライトを点ければ十分です。 注意していただきたいのは、ここで言っている「暗い光」とは、暗視覚に入るほど光が弱い状態ではないということです。 もし暗視覚に入るレベルまで暗くなった場合、 > それは完全な暗闇とみなし、最低でも1段階のライトを点ける必要があります。 基本的には、そのような暗闇での使用は避けるべきです。

文字と画像の識別能力を高めるためのちょっとしたコツ

光が暗く、30センチ以内に近づかないと見えにくい状況になった場合でも、 必ずしもすぐに前面ライトを点ける必要はありません。 いくつかのちょっとした工夫で識別力を高めることができます：

• コントラストを上げて文字を太くする： 現在のオープンシステムでは、多くのソフトウェアがアプリ表示を最適化できるようになっています。 例えば、BOOX（文石） にはアプリ最適化機能があり、文字を太くしたり背景を明るくする（漂白）ことが可能です。 カラー電子ペーパーでは、さらに色の鮮やかさ（彩度）や色の明るさ（輝度）を強化することもできます。 これらの調整を行うことで、本来なら前面ライトを点けなければならないような環境でも、ライトを点けずに快適に使用できる場合があります。 また、ウェブブラウザの分野では、Eink Bro が非常に便利です。 ワンタッチでウェブページの文字を太くしたりコントラストを上げることができるため、ウェブ閲覧時の文字認識がより簡単で快適になり、目にも優しくなります。 （おすすめ：電子ペーパーでのウェブ閲覧に最適な便利ツール：） ページめくり型ウェブブラウザ「Eink Bro」 ）Hisense（海信）スマートフォンを使用する場合、コントラストを強化するには、 微調整設定に入り、彩度・黒レベル・白レベルをすべて最大に設定します。 これにより、文字のコントラストを高めることができます。
• 画面は逆光にしない、逆光にしない、逆光にしない！（とても重要なので3回言います）
• 明暗の差が大きい環境（コントラストが強い環境）では、影になっている場所にいないようにしましょう。
• 画面は黒いフレームを選ぶことを推奨します。 リーダーは周囲が黒い背景になる場所に置くのが理想的で、 白い壁に向けて読まないようにしましょう。
• 光源は正面180度の位置から当てるのが理想的です。 その方が自分の影で画面が遮られにくくなります。 また、右利きの人がタッチ操作をする際、手の影が画面を覆ってしまうことがありますが、 その場合は端末を180度回転させることで簡単に解決できます。

黒い背景では、画面がより明るく見えます。

白い背景では、画面がより暗く見えます。

結論

電子ペーパーでの読書は、紙の本を読むのと同じく、環境光に強く依存しています。 したがって、紙の本を読むのに適していない光環境、たとえば暗闇などでは、 電子ペーパーを読むことにも適していないということです。

カラー電子ペーパーは、紙の本やモノクロ電子ペーパーと比べると画面がやや暗めですが、 それは明るさが少し下がっただけに過ぎません。 もし、ある場所でモノクロ電子ペーパーは読めるのに、カラー電子ペーパーでは前面ライトなしで読めないという場合、 それはその環境におけるモノクロ電子ペーパーでの可読性もすでに限界に近いということを意味します。 そのときあなたがすべきことは、 > より適した環境に移動して読書をすることです。

前面ライトを誤った使い方をしたり、 無理に前面ライトを最大にして、紙の本やモノクロ電子ペーパーを再現しようとすることは… 白い背景を再現しようとする行為は、発光ディスプレイのスマートフォンを使用するのと同じくらい目に負担をかけます。 これでは、電子ペーパーを使う本来の「目に優しい」という意味が完全に失われてしまいます。

本記事では、生理的な観点から、暗めの環境で読書しても実際には目を傷めないことを説明しました。 前面ライトを点けずに使用するカラー電子ペーパーは、むしろさらに目に優しいということです。 それでも、この記事を読んだ後に、暗めの画面を見ると心理的に不快だと感じるのであれば、 > カラー電子ペーパーは購入しない方が良いでしょう。 結局のところ、心理的な問題が最も解決しにくいものなのですから。

最後に、ちょっとしたアドバイスをお伝えします。 理想的なのは、近距離で目を使う時間を50分にしたら、遠くを見て10分休憩することです。 （眼科医が推奨する「30分見たら5分休む」というルールは、少し実行が難しいと感じますね XD） さらに、意識的にまばたきを増やすことを心がけてください。 これによって目の乾燥を防ぎ、疲れを軽減することができます。

注釈

注1、(直射)正確に言うと、「バックライト」ではなく「フロントライト」という表現が適切です。 電子ペーパーは、光が電子インクの分子に当たり、その反射した光の色が目に届く仕組みになっています。 一方、液晶ディスプレイのように背面から光を直接照射する（直射する）方式ではありません。 そのため、電子ペーパーの光源は前方から照射されるものであり、導光板を使って光をパネル全体に均一に行き渡らせています。 フロントライトの発光源は画面の四辺の内側に配置されており、たとえるなら超小型のLEDデスクライトが画面の縁に取り付けられているようなイメージです。 したがって、本記事では他の箇所も含めて、「バックライト」という言葉ではなく、一貫して「フロントライト」という言葉を使用します。

注2 、感覚の違いは、フロントライトの最大照度と環境光源の強さとの比率にも影響されます。 例えば、環境光が低照度の場合（例：40 Lux）、 フロントライトの照度は環境光の5～10倍になることがあります。 一方、デスクライトの下では、フロントライトの照度は環境光と比べて1倍未満となります。 また、Mooink C は光の吸収率が比較的高いため（理由は不明ですが、同じ第1世代 Kaleido を採用している Hisense A5C はここまで暗くはありません）、 その分感覚の差もより顕著になります。

注3、逆光環境でフロントライトを上限値まで点けた場合、目に悪影響があるのか？ 基本的にはありません。 その理由は、このとき目の瞳孔が明るい方向に向いて縮小しており、取り込む光の量を減らしているからです。 その結果、画面がより黒く見えるため、補償する光源が十分である必要があるのです。 この補償光源は、十分な明るさのデスクライト下で測定した値なので、 背景光源の照度（より正確にはニット値）がデスクライトより極端に強くなければ、このフロントライト量で十分です。 もし明暗差が大きすぎて、このフロントライト量でも不足する場合は、 > その光環境は読書に適していない ということになります。 その場合は、端末の角度を調整するか、場所を変えることをお勧めします。

参考資料

1. 薄暗い照明の下で本を読むと本当に目を傷めるのか？専門家が語る真実
2. 文字が小さいと本当に近視になりやすいのか？
3. 3C機器による目のダメージの理論的根拠